世捨人唄

たとえば 故郷を捨てるとも
旅の情は 捨てないで
悲しみ川に 漕ぎだそう
まして一人の男なら

男と男が もつれても
悲しみ川は 深くなる
酔っても 陽気になれなくて
まして 男と女なら

都の川を さかのぼり
女の川に 棹させば
おぼれおぼれの やさしさに
ひとつふたつと 痩せてゆく

故郷川から 女川
悲しみ川を 漕いでゆく
川の流れの ゆく先は
川の流れの ゆく先は
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