まるで子供のように

そして二人は 海へ 行ったね
急いだ夏が 砂に 埋もれていた

まるで子供のように 今は
波を追いかけて
澄んだ水に 手を差し出して
ゆらめく 光を すくいあげながら
風に吹かれていたい

そして二人は 毎日 逢ったね
あの公園は 今もかわらないよ

まるで子供のように 高く
ブランコをふんで
いつかまわりに夜が来ても
このまま ずっと ここに居るんだと
自分に言ってみる

そして二人は一緒に暮したね
そしてぼくから部屋を去っていった

まるで子供のように 今は
ドアに鍵をかけ
母の叫ぶ声に答えもせず
ひとり部屋のなか 明かりもつけず
壁にもたれていたい
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