語り酒

好いて好んで裏道を
歩き通したわけじゃない
運がないのか 陽に背をむけて
いつしか日陰で咲いていた
酒よ おまえもわかるだろ
今夜はおまえと 語り酒

胸を裂かれる日もあった
荒れて眠れぬ夜もあった
じっと見つめるその手の中で
夢まで冷たくなっていた
酒よ おまえもわかるだろ
今夜はおまえと 語り酒

意地とがまんを 貫いて
なんど修羅場をくぐったか
泣いて笑って転んで起きて
いま人生の 秋を知る酒よ
おまえもわかるだろ
今夜はおまえと 語り酒
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