nanana ~親父とオレとタバコとハナ歌~

何一つ怖いものがなかった無敵の10代
精一杯誰かを愛し 夢いっぱい自分を愛し
日々のため息は全部 チャイムの音でかき消した
親父はいつもオレの頭をなでながら
「男に生まれてきたからにはでっかく生きてみせろ」と
タバコの煙を吐きながら オレに夢を託した
nanana…

未来は明るいはずだと 信じていた20代は
大人になるにはまだ若く バカになるには恥ずかしく
答えを求めるばかり 誰彼かまわず傷つけた
出会いと別れを繰り返す 螺施のような日々の中で
今日もあくびをしながら ぼんやりと明日を待ってる
あんなに愛した人さえも もう今は思い出せない
nanana…

そして30歳になったオレはと言えば
託された夢とは違う生き方を選んでいる
戻れない昨日にばかり しがみついている日々さ
忘れたくなかった事も忘れちまった
変わりたくなかった事も変わちまった
そして今オレはここに立ち
いったい何が残せるだろう
nanana…

あの日親父は似合わないオレンジのシャツを着て
ため息のように煙を吐き出していた
遠くを眺めるその先に いったい何が見えるのだろう
そしてオレはあの日の親父と同じ場所に立ち
吸えもしないタバコに火をつけずっと遠くを見てた
けど何も見えやしない ただ抜けるような青空だけ
nanana…
あの日の親父の ハナ歌が聞こえてくる nanana…
何ができるのだろう 何が残せるだろう
nanana…
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