文豪ボースカ

「オレ、オーケン、34歳独身
ぬいぐるみのボースカと二人ぐらし
ミュージシャンで作家
どうして、もっと人の心を動かすものを
オレは書けないんだろう
いつも悩んでいる悩んで...悩んで...
つらい、つらいなー」
「ボク、ボースカ!
オーケンの代わりに書いてあげるよー!」
「本当かい?」

やめてしまおう (チェンジ! ボースカ!)
逃げてしまおう (チェンジ! ボースカ!)
死んでしまおう (チェンジ! ボースカ!)
誰か代わって (「ボクが代わるよー!」)
生まれいづる悩み
たのむ
書いて
ボースカ
書いて代わり

ボースカに締め切りまかせ
来たぜジャマイカ レゲーじゃないか
ガンジャモクモク 決めようじゃないか
なんだこの世は天国じゃないか
ちょっと東京に国際電話
もしもしボースカつらいだろうな

「もしもしオーケンとんでもないよ
ガンガン小説たくさん書いたよ
江戸川乱歩の続編書いた
太宰治の続編書いた
新約聖書の続編書いた
そしたら文学賞をもらった」
(「直木賞だ!
芥川賞だ!
ノーベル文学賞だ!」)

俺の代わりに (認めたくない)
ぬいぐるみが (許したくない)
出世したよ (認めたくない)
認めたくない (許したくない)
生まれいづる悩み
なぜだ
なぜだ
なぜだ
なぜだ ボースカ

「オーケンほっぽり出して
来たぜ銀座だ豪華じゃないか
ドンペリゴクゴク飲もうじゃないか
やっぱりこの世は天国じゃないか
ちょっとジャマイカ国際電話
もしもしオーケン調子はどうだ」
もしもしボースカこちらは留守電
今から銃持って殺しに行くぞ

お前の成功認めはせぬぞ
俺より才能許しはせぬぞ
今から銃持って殺しに行くぞ
今から銃持って銀座へ来たぜ

「ボク、ボースカ、オーケンは
警官に撃たれて死んだ
バカだなーオーケンはー、
すべての創作者の仕事は、
いかに人の心を動かすかであって、
人気とか名声とかお金ではないんだ。
感動を与える分、自分が苦しいのは、
神の与えた運命で、
耐え忍んでいかざるを得ない。
お前の苦しみが誰かの喜びにかわるんだ。
やり遂げたまえー。
少年探偵団はその後、
同性愛者の共和国をつくった。
人間は合格した。
神様は誰かの苦しみが誰かの喜びになる
身代わりプログラムをこの世界に設定した。
I wanna be your DOG.
I wanna be your GOD.」
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