あじさいの宿

ひと雨ごとに 色彩(いろ)をます
花はおんなの 未練でしょうか
あゝ今も この胸に
忘れられない いのち火が燃えるのよ
帰りたい… 帰れない…
紫陽花(あじさい)の宿

素顔が好きと 抱きしめた
心がわりが 今さら憎い
あゝ白い 湯けむりに
秘めたあの夜は うたかたの夢ですね
恋しいの… 逢いたいの…
紫陽花の宿

蛇の目の傘に 肩寄せて
ふたり歩いた いで湯の橋よ
あゝあなた 想い出で
終わりたくない ひとすじの純愛(こい)なのよ
戻りたい… 戻れない…
紫陽花の宿
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