防波堤

一人きり 辿り着いた フェリー乗り場の防波堤
波の音 風の匂い 橋の向こうに霞む街の色

別になんでもないけれど 久しぶりにやって来たよ
懐かしさと 寂しさが かわりばんこに 打ち寄せる

今ならわかることがある 君と過ごした夏の日

どれだけ歩いても どれだけ探しても 僕らは戻れない
心に染み込んだ 涙が乾くまで
ここにいさせてよ ここで聴かせてよ
哀しみなんて 哀しみなんて どうすればいい

カモメの群れ 眺めながら 季節外れの防波堤
時の流れが やりきれなくて 缶コーヒーを飲み干した

裸足のままで 歩いた道は 波に濡れた青春の日々

夕日が染めていた 君の横顔が 今さら愛しくて
心に絡みついた 糸をほどきながら
最後のあの夏の あの場所に戻っても
優しさなんて 優しさなんて oh

どれだけ歩いても どれだけ探しても 僕らは戻れない
心に染み込んだ 涙が乾くまで
ここにいさせてよ ここで聴かせてよ
思い出なんて 思い出なんて どうすればいい
哀しみなんて 哀しみなんて どうすればいい

夕闇が 降りてくる フェリー乗り場の防波堤
波の音 街の色 今ならわかることがある

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