春しぐれ

雪見障子に 赤々と
もれるかがり火 飛騨の宿
わずか二日の 旅なのに
淋しさばかりが つきまとう
あなた逢いたい 今すぐに
くじけそうです このままじゃ
春のしぐれが 音もなく
心にぽつり ふるばかり

胸の迷いを 断ち切れず
ひとりおもいで なぞってる
和紙で作った 盃に
つぎ足すお酒の ほろ苦さ
せめても一度 その胸で
抱いて眠って くれますか
重ね着しても 寒すぎて
焦がれる想い 隠せない

あなた泣いても いいですか
くじけそうです このままじゃ
春のしぐれが 切なくて
心にともす 夢灯り
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