北愁

海が奏でる 潮騒(しおさい)は
男の夢の 子守唄
流れる雲を 道連れに
ギターを抱いて 宛てもなく
知床岬 北の果て
…あぁ こけ桃の 花が愛しい

なにを求めて なにを追う
故郷遠く 捨ててまで
山狭駆ける エゾジカの
愁いをふくむ 瞳の色に
忘れた筈の おもかげが
…あぁ 霧の中 にじむたそがれ

細いランプの 灯が揺れる
宇登呂のはずれ 港宿
心に風の 吹く夜は
ギターよ俺と 泣いてくれ
羅臼を越えて 明日もまた
…あぁ さすらいの 旅は続くよ
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