10月の愚者

風が変わり出せば
街翳から冬の声
窓をたたいて
まだ眠っている君を
起こさないようにして
そっと服を着替えながら
想い出を紡いでたよ
テーブルには切ないほど
優しさの影が揺れて
僕を見てる

この部屋を出て行こう
僕が君にできること
こんなことだけ
君の慈しみの手に
気づかないふりのままで
僕は何を応えられる
誰にもわかりはしないよ
思うままに生きることが
自由なことではないさ
今はわかるから

朝焼けの通りに出ると
愚かな僕の背中で君の声がする

気をつけてと
いつものように
何故君はそれでいいの?
立ち止まると風の中で
僕は振り返るのかな
今も…
×