月に鳴く

ベランダで泣いた 月が見ていた
胸が冷たくて 寒くなかった
誰かに叱ってほしくて歌った
「あたしをみつけて カゴに入れてよ。」

もう泣かないで かわいい瞼が 腫れてしまうから
ほらここまで 私は一人で 歩いてこれたじゃない
優しくしてくれなかったのね 全部知ってるわ

なでてあげる 目を閉じて 抱いてあげる 体ごと
私はあたしの中が よく似合う

ベランダで泣いた 月が見ていた
胸が冷たくて 寒くなかった
誰かに叱ってほしくて歌った
「あたしをみつけて カゴに入れてよ。」

ただ誰かを好きになったなら 全部欲しいだけ

なのにいつも叶わない おかしいのはこっちかしら?

あなたが泣いたら あたしが鳴くから

早くここに来て あたしと恋して
小さなものとか ひきずってないで
早くここに来て あたしに恋して
手のひらに乗せて 愛とかみせてよ

―あたしは自爆した 憂鬱の風船みたいに
淋しいのに 苦しいのに どうしたいのかわからないの―

一人だと知った 宇宙をみあげた
風が冷たくて 頬をなでてた
なんにもみないで 聞きたくなかった
恋をしてた日に 戻りたかった
あなたを選んで あの人が恋しい
あたしが誰だか わからないんだ
ベランダで泣いた 月がみていた
胸を濡らしたら 許される気がした
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