分身

目障りだよと消し去る 黒板の粉たちが
今のきみを作ったのは僕らだよと
あざ笑っていた

長い睫毛がひたすら重なり 陰をつくる
パターンをつないで好むのはやめて余計
1人が楽になる…

かたちにはまらないやり方もある
丸を描けずに泣き―

どこの誰かも解らぬ風貌で
森をさまよい 空喰い潰す
欠けていく碧

今は連れ人いなくて いいのだと髪とかす
たまに耐えられない夜があったとしても
ふところは装う

身近な場所に理想はほぼ皆無
僕が脆いうちは…

人に迷惑さえ掛けてなくとも
赦されなくてときに苦しい
―言い訳はない

―夢に、興じ、目醒め―

長い睫毛が微かに震えだす
麻の匂いを抜けだし、今日も
冷えた教室―
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