嫉妬

吹きこむ雨
もつれる影
蘭の花のような舌先で
俺を交わそうとする

あらがうことを
諦めたら
夜の濃淡に沈んでゆこうぜ

わだかまる風
黙りこんだ潮騒

蔑むように
憐れむように
うつぶせたままで
俺が果てるのを待っているのか

波うつ背中
知りたいのさ
誰を夢見て溺れているのだい

青黒い月
凍てつく微笑
わだかまる風
黙りこんだ潮騒
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