高瀬舟

雪も桜も 蛍火も
ふたりで見りゃこそ 絵に描(か)けた
半年あとの 倖せよりも
たとえ 一夜(ひとよ)の罪でいい
抱いてください 思い切り…
今宵なごりの 高瀬舟

つらい別れの 待ちぶせを
知らずに解(ほど)いた 花の帯
死ぬほど惚れて 惚れてるくせに
酔って乱れた ふりをして
愛想(あいそ)尽きたと 嘘をつく…
浅き夢やら 高瀬舟

何がこの世で 哀しいか
あなたに恋した ことだけよ
呼んでも二度と 帰っちゃ来ない
人のさだめに 流されて
明日(あす)はどこまで 行くのやら…
女泣かせの 高瀬舟
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