望郷はぐれ街

切ったつもりの あいつの面影が
しぐれて旅を とおせんぼ
惚れた女を 泣かせてまでも
男の夢かよ…
くぐる酒場の いちりん挿しに
せめて手向けの 曼珠沙華

酔ってふりむく 故郷ならば
どうして翔んだ 赤とんぼ
帰りたくない 帰れはしない
男の意地かよ…
山はそろそろ みぞれの頃か
北へころがる 汽笛節

灯りひろって 真っ直ぐ生きて
気がつきゃ夢が かくれんぼ
純粋なだけでは どうにもならぬ
男の道かよ…
辛さまぎらす 手酌の酒に
風がこぼれる はぐれ街
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