ひとり寝女の泣き枕

逢いに来ないで 夢はいや
ほんとのあなたに 逢わせてと
両手あわせる 花園あたり
六帖一間が 広すぎて
今夜もしっとり 泣き枕

濡れた枕に 口紅で
愛しい似顔を かきました
うらみつらみを 拳にこめて
叩いてつねって 呼んでみる
浪花は遠い 夜の涯て

故郷の訛りが 消えるころ
涙ぼくろが 増えました
誰に弱音は 見せないけれど
あなたのつもりで 抱きしめる
ひとり寝女の 泣き枕
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