母のふるさと

国後へ 国後へ 帰りたいよと
いいながら おふくろは 目をとじた
岩にくだける 波さえも
霧が晴れれば みえるのに
帰れない 帰れない 母のふるさと

いつの日か おふくろを つれてゆきたい
あんなにも 好きだった ふるさとへ
いろり話に きかされた
泊の山の ふところに
この骨を この骨を 埋めてやりたい

択捉で 択捉で 漁がしたいと
ふるさとを なつかしむ 声がする
雪に凍れる 島だけど
どんな町より いいんだよ
寒くても 寒くても そこはふるさと
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