一夜に一夜

優しさに甘えるわけには 行かないと
春さえ待てずに 去ったひと
見送る駅の夕まぐれ
あ…素顔に涙 舞い散る小雪

行き先も教えず ポツリとそっぽ向き
便りをするわと いったひと
悲しい嘘で幕をひき
あ…汽笛が責める 大馬鹿もんと

お土産をきれいに 包んで下さいと
こけしを一本買ったひと
どなたが待って いるのやら
あ…宿命はとけず 悩みは消えず

ゆきずりの恋ゆえ 時折り不安気に
いけないことねと いったひと
別れが来ると知りながら
あ…一夜に一夜 重ねた二人
あ…一夜に一夜 重ねた二人
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