おやじの舟唄

酒に海鳴り 染みる八戸で
聞いた舟唄 今も忘れないぜ
伜にゆずった 海のあけくれを
恋しがっては 酔いどれた
達者でいるかい おやじさん

海がしければ 町へくり出して
女泣かせた 古い自慢ばなし
伜にかたって 浜で網を干す
年令(とし)に似合わぬ ふとい指
生きてりゃ会いたい おやじさん

時は流れて 変わる八戸に
季節忍んで鳴くな 海猫よ
伜も忘れた 遠い舟唄は…
俺の心に生きている
たずねて行こうか おやじさん
×