天の川絶唱

(荒海や 佐渡によこたふ天の河)
(芭蕉)

海は凪いでも 心の波が
あなた恋しと 打ち寄せる
女は誰でも 哀しみを
たどりたくなる 時がある
佐渡は見えても あなたは遠い
旅の終わりは 寺泊
逢いに行けない この想い
どうぞ伝えて 天の川

はぐれ鴎よ 教えておくれ
小木の港は どのあたり
あなたが行くなと 止めたのに
連絡船に飛び乗り 背を向けた…
なんで今さら 未練を抱いて
越えてゆけよう この海峡を
背伸びしたなら 届きそうな
夢の浮橋 天の川

青い漁り火 こぼれて落ちた
熱い涙か 星屑か
呼んでも戻らぬ 昨日なら
胸に想い出 閉じ込める
佐渡は見えても あなたは遠い
潮風よ唄うな おけさ節
せめてあなたの 幸せを
ひとり祈った 天の川
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