冬桜

咲いて淋しい 一輪ざしを
おまえのようだと 肩を抱く
むすべない恋なら 生きる甲斐もない
いっそあなた あなたに散りましょう
どうせこの世は 短かいゆめ芝居

もえて悔いない 一夜(ひとよ)の夢を
かんでも噛んでも 漏れる息
運命(さだめ)ゆえきれない 恋の糸ならば
いっそ死んで 死んでどこまでも
堕ちてゆきたい あなたと身をからめ

こすに越せない 浮世の川を
流れてゆくしか ないのです
恋ゆえにせつない ゆれる命火よ
もっとつよく つよく抱きしめて
ふたり春には 咲けない冬桜
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