自転車

それはよく晴れた日の午後で 広い芝生のある公園
白いペンキの塗られたベンチに座りながら
あなたは遠くを眺めて「幸せはどこまで続くの?」と呟いて
瞬きの中に涙を閉じ込めた

明日のことは 僕も教えてあげられない
まして十年後の二人のことは
僕らが生きられるのは 今この瞬間だけ
だから永遠を放棄して 今あなたを抱きしめる

走れ 走れ 僕の自転車 あなたを乗せて どこまでも行く
夢が夢で終わらないように 「運命」のせいにしないように
青空の下 花咲く丘へ 僕ら進み始めた

僕の心 あなたの心 結ぶ糸をギターのように
弾いて鳴らしたら どんなメロディーができるかな
しっかりと手を繋ぎながら 楽しい曲を作ってゆこう
決して美しい音色でなくたっていいさ

始まりには必ず 終わりが訪れる
咲いた花は いつの日か散るだろう
だけど 僕らは悲しい歌を歌うためだけに
この世に生まれてきた訳じゃないはずだから

走れ 走れ 僕の自転車 あなたを乗せて どこまでも行く
僕らなりに 描いた夢が 誰かにとって ばかみたいでも
僕らの夢は 僕らにとって 輝く真実なのです

走れ 走れ 僕の自転車 あなたを乗せて どこまでも行く
たとえ 辿り着くその場所に 哀しい雨が降り続けても
僕があなたを 力の限り尽くし 守ってみせる
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