太陽

最近の私にはまるで珍しいことでもなくて
覚えきれない記念日がまたカレンダー上で破裂した

身を守る本能として私が課した単純なルール
肩越しに聞いた爆発音に振り返ることもない

真っ赤な果実に歯を立てる この部屋によく似合う
時おりそのかすかな香り むしょうに恋しくなる
真っ赤な果実に歯を立てる 傷口が血を流す
手首を伝う冷たい水滴がどうしてこんなに愛しいんだろう?

熱帯性低気圧に弱いできそこないのアンテナが
意味のない拾ってほしくない情報をただたれ流す

とうの昔離れた人の消息は知らない方がいい
甲州街道のその先をあの人が思うことだってないさ

真っ赤な果実に歯を立てる この部屋によく似合う
聞き分けのない子供みたいに 誰かのかわりのように
真っ赤な果実に歯を立てる 傷口が血を流す
手首を伝う冷たい水滴がどうしてこんなに愛しいんだろう?
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