自由とヒステリー

君がいなくなって気がついた
君がいなくなって僕は自由だ
はじめからこうすりゃ良かったって
口に出していた

君がいなくなった部屋の中
君が置いてったものをみていた
思い出す度に腹立ってんだ
あの日もそう

バカにしないでよって君はまた
当たり前みたいに泣き出した
勝手に出てく君を止めなかった

月曜から金土日
毎日、楽しいから
もう帰ってこないでね
もしも出会う前に戻れるなら
僕ら、出会わせないで

二人が過ごした小さな部屋の窓辺には
君と育てた観葉植物
君がいなくなった日から
前よりも元気になったんだ

記憶がまた蘇る
君がなにかを投げつける
僕の耳をかすめて化粧水が姿見鏡にぶつかる
割れた破片、あの時に確かに見た、君の顔
こっちを見てなぜか笑ってたよね?

突然君から電話きた
今から行くって切られた
どうせ来ると僕はわかってたよ

数分後、君が部屋の前で泣いてるのが
ドア越しでもわかってた
君がインターホンを押すまでは
僕はただ黙ってた

君からの電話に出たのも
今からこのドアを開けるのも
君のためじゃない
僕は僕の自由を今夜勝ち取るためだ

でも
ドアを開くその先には
泣きながら笑ってる君がいて
そのまま僕に抱きついて一言
「ただいま。」って言ったんだ

ずっと抱きついて離れないまま
僕の話なんて聞かないまま
僕を試してるみたいに言った
「好きだからだよ。」
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