さよならストレンジャー

滲む汗 目覚めたら 懐かしい声がする

真っ暗な昼休み
気の抜けたサイダー流し込む

踏切をくぐり抜け 歩くのも喋るのも
どんどん遅くなってく

あの頃僕らはスニーカー脱ぎ捨て
テレビの中から飛び出して行った

腑抜けた腰も破いた地図も
テレビの中僕は息絶えてた

夏が来る 窓を開けた
世界が見えるのは受話器からだけなのさ

心からありがとう 紫陽花に同情流し込む

さよなら さよなら
君の顔 日食みたい
記憶が遠くなってく

さよならストレンジャー 風鈴の音
テレビの中はもぬけのから

さよならストレンジャー 錆びた合鍵
真昼の空へ取られてしまった
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