Distances

歌にしたいほどの言葉さえ
ただの工事の音に消された
新しくなってゆく街なんて
ひとつも興味ないんだよ

駅の出口 人の波に
僕は今日もまた知らぬ顔で
重いギターのケース開いて
ひとりきり 歌い出すのさ

心を全部 声にして
君のもとへと届けたいのに
素直になって歌にしたって
口元でこぼれ落ちた
喧騒にかき消され
それで黙って飲み込む言葉
いっそ諦めてもいいかな?

もう薄暗い朝になっていた
僕の声が掠れているのは
叫ぶように歌っていた証か
それともただ時間が経って
眠りが必要なのか

言葉は不意にノイズになって
覆い隠してゆく
心もこの歌も聴こえなくなって
ここまで響く機械の音に
癒されたりしている
程々にしておきなよ もう

それでも君に届けたくって
言葉を探している
って、またそこに戻って
声に出したその瞬間
こぼれ落ちてゆくのだろう

こぼれ落ちてゆく
心を全部 声にして
君のもとへ届けたいくせに
素直になって歌にしたって
こぼれ落ちてゆくって分かっている
また喧騒に消されても
掠れた声で歌うから
あとはもう君に託して
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