ごめんね

愛されたくて吠えて
馬鹿みたいに声をあげていた。
“もう戻れない”と気づいてからじゃ
手遅れだった。

「ねぇ、君はどうしたい?」
聞かれたって分からないけど
“いっそ眠りについて、覚めないままで
風になりたい”

ねぇ、あなたはどうして
いつも隣で笑ってくれるの?
ずっと優しさに怯えて
返せないままで本当ごめんね。

灰になるその日まで
貰った分を返せるのかな。
“死んでしまいたい”だなんて
困らせてばっか 本当ごめんね。

ごめんね

もうすぐ夜は明けて
見飽きている朝を睨んで
眠い目を擦っている
あなたを起こして今日を迎える。
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