波に木

夢が覚めて春が過ぎて
嘘みたいに静かになる
ベランダから覗いている
今を泳ぐ何も考えずに

水を跳ねて波を避けて
光の中、息を止めた

止まったまま、動けないや

忘れたくないような夜も
君にしか言えない弱さも
飛び越えたい距離も時間も
愛されたい心も体も
朝になれば、消えてく消えてくけど
代わり映えのないようなことに
苛立ちを覚えてしまった
かけがえのないような日々の全てを
思い出は思い出だ戻れない、もう

街が醒めて動き出した
遅れないように急いでいた
どんな時も時間がほら
連れてくれるずっと向かう先に

時間に溶けた美しい日々は
すこしずつ自分を楽にしてくれたけれど
本当にこれでよかったのかな
忘れるよりもっと違う形で乗り越えたかった

忘れたくないような夜も
君にしか言えない弱さも
飛び越えたい距離も時間も
愛されたい心も体も
君の体温で溶けた
僕の心はもうきっと
元通りにはならないから、もう
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