親父の酒

しけた顔して 呑むなよと
親父が酒を コップにそそぐ
故郷(さと)に帰った 時ぐらい
生意気言って 呑めばいい
誰かと同じ 幸せなんて 雲のよう
たとえ自分勝手と言われても
正直なら それでいい
幸せなら それでいい

背中丸めて 呑むなよと
親父が酒を コップにそそぐ
俺が造った 地魚で
強がり言って 呑めばいい
周りと同じ 明日(あす)なんて 見えぬもの
たとえ我儘(わがまま)だと言われても
正直なら それでいい
幸せなら それでいい

夢をうずめて 呑むなよと
親父が酒を コップにそそぐ
化粧忘れた おふくろと
懐かしがって 呑めばいい
いつの時代も 都会(まち)の夜風は 薄情さ
たとえ自分勝手と言われても
正直なら それでいい
幸せなら それでいい
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