山の雫

あしびきの
山の雫に妹待つと
われ立ち濡れぬ
山の雫に

待つことも
また 心たのしく
ひとときを
そぞろ浮きたつ
眼交に君の姿の
現われて
ふと消え去りぬ
春野の女鹿の如く
しなやかな 風情なやまし
束の間も早く この手に
束の間も早く 香しき君を
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