茨木童子

紅梅に 襲ぬも 五条に 綻びて
借り物を 手に 其の 筋は ひらひら

幾度 遡れど 腕 矢場に 舞う

頼光 天王 謀略殿 怯懦の 輩
人間 雑兵 廃亡せぬ金輪際

叢雨の 九条で 雷鳴に 又 落ちる
然こそ言え 唐櫃は からから

生まれの 際から 窺く 童子の 貌

頼光 天王 謀略殿 怯懦の 輩
人間 雑兵 廃亡せぬ 金輪際
来同 玄応 幽艶ぞ 刹鬼 無頼
乱漫 合焦 顕現せん 郷土の 塊

逆髪 抉られた 月の 夜を 泳ぎ 果てる 迄
十六夜う 天命は 善かれ 仇衆を 刻む 仰せ

鬼子の 憐れに 見たり 衆生の 傲り

逆髪 抉られた 月の 夜を 泳ぎ 果てる 迄
十六夜う 天命は 孰れ 徒しを 刻む 逢瀬

赦すまじ いみじくも 又 遡る

残亡 昏沈 頼光殿 汚穢の 狙
濫妨 擁掩 乾綱なり 羅城の 徒
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