ふるさと暮色

夕焼けトンビが ピーヒョロロ
あの娘が摘(つ)んだ 野菊の花を
辻の地蔵に 供えて祈る
うなじの白さが まぶしくて
あれが恋とも 知らないで…
思い出暮れなずむ ふるさと暮色

林檎の花びら ハラハラリ
今でも浮かぶ 田毎(たごと)の月よ
細いあぜ道 ふたりで歩き
別れがつらいと 気づいた日
あれが恋とも 知らないで…
思い出暮れなずむ ふるさと暮色

祭りの太鼓が ドンドコドン
夕闇せまる 鎮守の森で
浴衣姿の あの娘を見かけ
突然騒いだ 胸の奥
あれが恋とも 知らないで…
思い出暮れなずむ ふるさと暮色
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