おふくろの郵便受け

朝の鳥のさえずり ふるさとも晴れの予報
腰が曲がっても 畑に行く おふくろよ
野良仕事 終わったら
覗(のぞ)く 郵便受けに
おまえからの手紙があれば うれしいと言った
昨日書いた手紙が 明日(あした)届くから
俺の孫の写真を 見てくれ おふくろ

一人暮らし そろそろ 心配で仕方ないよ
何度誘っても 行く気はねぇー つっぱねる
さびついて ガタが来た
赤い 郵便受けに
おやじからの便りが夢で 届いたと笑う
先に待っているから 何も怖くない
空を見上げ涙を 浮かべた おふくろ

「ありがとうな…おふくろ」

雨の日も 風の日も
つなぐ 郵便受けに
細い文字のハガキが一枚 ふるさとを運ぶ
今度帰る時には りんご 持って行け
いつも俺を気遣う やさしい おふくろ

「おふくろー」
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