葦牙

記憶に刻まれた 遥かな
眩しいものを 追い、駆けた
視線をはずせないまま

邪心なき時代に 出遇わした
その先の閃き
何故だ、すべてを無にへと変えてきたのは?

胸が疼いた 遠いその朝
風が切り裂いた 裂け目
こじあけて視た その光だけ
仰ぎ続けたはず
命をかけることも 厭(いと)わずに

見失いかけたか 何処かで
雲に遮られて
何故だ、すべてを無にへと感じはじめた?

胸が疼いた 遠いその朝
風が切り裂いた 裂け目
こじあけて視た その光だけ
仰ぎ続けたはず
命をかけることも 厭(いと)わずに

視線を逸らしたのは俺なのか?

凍りつく程熱いあこがれ 言葉にする由はない
時を経てなお 冴えわたり 冷たすぎる刃文にも似て
凍りつく程滾(たぎ)るあこがれ 言葉にする由はない
時経て更に 冴えわたり 冷たすぎる刃文なれ
届かない腕(かいな)振り上げれば空(くう)
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