三月

笑って話して 外は暗くなってしまった
今年は一層早く過ぎて
季節はまた巡って春になるだろう

言葉にできない何気ない疑問符や
目背けたこれから先のことだったりもさ
降りしきる雪がここまで積もったら
そんなことも全て隠せる気がした

大事なこと まだ言えずに
白い息 指の間を
すっと空の中へと溶けていく この言葉と
なくなってしまうもののぶんだけ
形じゃなくて体温を思い出した
もう少し触れていたい

「綺麗なこの街を忘れたくない」って言う君の
君の願いを今はどうか叶えてくれ
代わりに 僕の代わりに

君だけが居ないこと思い描いても
どうしようもなく色のない景色が続いていくのさ
降りしきる雪がここまで積もったら
いつまでも冬のままで居られるのに

この街では
白い雪 明日になったら
もうほどけて元通りになる
熱を奪っていくのに
過ぎ去ってしまう冬の香りに
違う季節をまただんだん思い出した
いつかまた元気で

思い出は指の間を
すっと空の中へと溶けていく あの頃の僕らと
なくなってしまうもののぶんだけ
形じゃなくて体温を思い出した
もう少し触れていたい
×