風を切る

もう一度会えるかな? 雨上がり夏の匂いと渡せなかった手紙
ぽっかり空いてたガレージ 再びキミが転校生になった

もう聴けない笑い声 帰り道ボクのサドルは特等席だった
遠くにキミと決めた 合流地点への道 忘れないで

駆け出して行くキミに届くまで ドレミファとブレーキ弾いてる
坂を登って早く追いつけと キミとボクの夏のペダルを漕いで行くよ
次の街もどうか元気でいておくれよ

棒になった両足と 気配感じ鳴き止む蝉の 研ぎ澄まされた刹那
遠くにキミを乗せた 車が見えた時 詰まった胸

丘の上から強く手を振るよ 力の限りキミに届け!と
「またね」と会える時が来ること
願い込めて仰いだ空が染まっていくよ

駆け抜けて行くキミを見送り 後から何か溢れ出してる
坂を下って離すブレーキ 笑い声と染まる街並み握った手紙
キミとボクの夏のペダルは泥だらけさ
ザワめく未来へ漕いで行く
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