中禅寺湖

はかなき夢の なつかしく
訪ね来たりし 日光で
あの日の恋の なきがらは
そっと流そう 湖に
あなたの涙 指先で
そっとぬぐった 中禅寺湖

ひとりの旅の 淋しさは
知らぬわけでは なかったが
忘れはしない あのひとの
姿清らな 面影を
あふれる紅葉 浴びながら
風も色づく いろは坂

傷つきながら 人はみな
生きる強さに めぐりあう
ゆうべの月を 待ちきれず
そっとみずから 散る花よ
汀の音に 酔いながら
心名残りの 中禅寺湖
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