恋文

アズナヴール 流しながら
この手紙を書いてます
秋祭りに買った指輪
小指に光ります
椅子の上には赤い千代紙
窓のむこう昼下がりの小雨
何を見ても貴男様を
想い出して候

熱いココア すすりながら
表書きを書きました
夢二の絵の少女真似て
矢絣を着ています
床にはらはら芥子の花弁
窓を染める雨あがりの夕陽
朝に夕に貴男様を
お慕い申し候

拙き文を読まれし後は
焼いて欲しく候
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