ああもう

ああもう 思い出せないや
きみがいなくていい生き方を
温もりが未だ 残る間にただ
もう戻らないことを
ちゃんと教えて

どうせさ
当たり前になれば大切にできないし
いつかは消える やがて失せてく
そう言い聞かせて
馬鹿だね でも本当だったね
撮り直せないラストシーンに
無邪気に向かってしまった
幼稚な麻痺

わたしには教えてくれない闇に
きみは見事に飲まれていった
独りにしないって言ったのに
透けた嘘を突き刺した

ああもう 忘れられないや
愛してると同じ声で
さよならをただ 聞けたら、ああ
わたしはいなくなる

ああもう 思い知ったから
きみがいなくなった無力さを
温もりが未だ 残る間にただ
もう戻らないことを
ちゃんと教えて

なんでか
散らかった部屋も
片付けられた頭の中も
連れていってくれない
内緒ってわたし何も知らないよ
馬鹿だね でも楽しかったね
はぐらかした ぼやけた答えで
懲りずに期待させるのは
優しさじゃない

わたしには教えてくれない孤独を
誰かにチラつかせていたなら
いったいわたし何になれたの
きみのせいにできないの
ああもう ああ、ああ

倦怠感を通り越して
時間よ退屈に慣れさせて
大丈夫じゃない下手な芝居で
わたしはわたしを見誤って
意気がるつもりだったけど

ああもう 思い出せないや
きみがいなくていい生き方を
温もりは未だ 消えないでただ
わたしを戒める

ああもう 忘れられないや
愛してると同じ声で
さよならをただ 聞けたら、ああ
わたしはいなくなれる
ちゃんと消えさせて
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