女の夢草紙

想い出の 河に舟だせば
あなたの心の 海へ着く
おとぎ話の 倖せなのに
追えば夢路の 涙に溶ける
恋ははかない 紙の船

凍(い)てついた 指に息をかけ
両手で温(ぬく)めて くれたひと
遠くなるほど 命と知った
胸にあなたの いろり火ともりゃ
夢でひと夜の 旅をゆく

恋しさに 耐えるほほづえを
揺さぶる冷たい 風の音
忘れられても 忘れはしない
星の一つに あなたを思う
みれん悲しい 夢落葉
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