好きと言ったのは嘘だ

好きと言ったのは嘘だ
なぜか口が勝手に動いただけ
僕じゃないよ

仲間たちと遊んだ帰り
たまたま方向が同じだっただけ
僕たちは並んで歩いて
馬鹿話で盛り上がって 三叉路に来た

右は君ん家(ち) 左は僕ん家(ち)
そして真っ直ぐは恋人への道

急に 好きって言葉が口に出た
自分でも理由(わけ)がわからない
じゃあねって言って 手を振った
別れ際の瞬間
まるで好きって聴こえたような…
誰も言っていないよ 聞き間違い
風の音だ

驚いたように僕を見つめて
黙ってしまうのは ねえ勘弁してよ
気まずさを何とかしなくちゃ
どうしたのってとぼけながら 逃げ切ろうとした

なんて言ったの? 何も言ってないよ
そこでもう一度 念を押すように…

君に 好きってはっきり言うなんて
感情を抑えられないんだ
キョトンとしながら 僕を見る
ロマンスの迷走
まさか好きって目を逸(そ)らさずに
ちゃんと言ってしまったら そう正式な
告白かな

ああ アクシデントか
それとも心の声はインシデントなのかな
正直は正義

急に 好きって言葉が口に出た
自分でも理由(わけ)がわからない
じゃあねって言って 手を振った
別れ際の瞬間
まるで好きって聴こえたような…
誰も言っていないよ 聞き間違い
風の音だ
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