ストレンジャー・イン・ワンダーランド

奴は小さな町から町へと旅を続ける
どこもかしこも好奇の視線に満ち溢れてる
それは肉体ではなく 亡霊
恐怖に駆られ 怯える 眼差し

誰も見ない

奴は移動を余儀なくされ 境界線をゆく
誰もかれもが感謝のセリフを聞きたがってる
どこから来たか 何者なのか
寸断された履歴は宙を舞う

誰も見ない

轍を振り返る ブレーキ痕だけが残る
かすかな記憶と踊る

奴は「存在しないこと」を強いられて生きてる
いつの間にやら無数の名前を身に付けている
消え入りそうな声で話しかけ
万古不易の笑顔を繕う

誰も見ない

奴はひなびた町から町へと旅を続ける
誰もかれもが目を伏せ 記憶されることもない
これは追われる者だけの詩
何が不当かを知る者だけの

誰も見ない

轍を振り返る ブレーキ痕だけが残る
かすかな記憶と踊る
轍を振り返る ブレーキ痕だけが残る
かすかな記憶と踊る
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