船に乗ろう

この週末も船に乗ろう
貴重な晴れだとニュースで言ってた
ママの車で 最終便に駆け込んだ
日の出桟橋へ

そびえる橋の下をくぐるころ
さっきまで街だった オモチャの国が見えた
「この瞬間の永遠にすこし憧れるな」
きみがぽつんと言った

どんな大きな海原も いつか旅してしまうのだろうか
果てない世界に 臆病になる日は
きみの傍で 風に吹かれて

東京の海は壁に波打ち
浜辺のないぼくは きみに出会って
ちいさな船を見つけた
もっと軽々と渡ってゆけそうな気がしたんだ

どんな大きな海原も いつか旅してしまえるだろうか
名もない魚たち 寄り添って泳げば
やさしい時間の風に吹かれて

果てない世界をまぶしい目で見つめていたい
波間を舞う その光に 祈るように
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