UmiToKoe

海が聴こえる街 母の後部シートで
真夏の匂いに燥いだ犬が吠えてた

父は作業場で口笛を唄ってる
あのこに負けぬよう背伸びをして過ごしてた

きみと出会ってから 猫が好きになったよ
おかしいねって笑ってる

雪が聴こえる街 時間は白く染まる
真冬の匂いに燥いだ犬が吠えてた

吐いた息を見上げ独りで過ごす夜も
気に留めないくらい僕らはもう大人だけれど

きみと出会ってから 嘘が下手になったよ
おかしいねって笑ってる
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