海霧の町

おまえの噂を 隠すよに
海霧(うみぎり)流れる 白鳥大橋(はし)の上
一ヶ月(ひとつき)早く たずねたら
きっと おまえに 逢えたのに
ひとり室蘭 霧がまた揺れる

おまえの呼ぶ声 したようで
振り向く心に 波の音
怨んでいるか この俺を
姿重ねる 島影よ
ひとり ため息 霧がむせび泣く

おまえの優しさ ぬくもりを
なんで捨てたか あの時に
きらめく夜景 チラチラと
沁(し)みてなおさら つらくなる
ひとり室蘭 霧がまた揺れる
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