バカンス

青い魚の夢を見た
波の彼方で
月のゴンドラ揺れている

街はきっと眠りにつく頃
地球儀回し たどり着いた名もない島

抱えきれないものを
すべて放り出したなら
波音だけを聞きながら
瞳を閉じて
ダンスを踊ろう 軽やかに
夜が更けるまで
月のゴンドラが揺れている

椰子の葉かげで 少しだけ夢を見て
明日は明日の風が吹く そんな気分で
街のうわさ話なら
さらりとかわし さあ今
なんて素敵な午後だろう
あの星にさえ 手が届きそう
背伸びして 空を仰いだ
水面に浮かぶ銀の月

砂に残る足跡は
風がそっと消してゆく
水鳥達は歌声を
波につずって消えてく
火照る体が溶けるくらい
いついつまでも
泳いでいたい このままで
青い魚と
月明かりを浴びながら
×