さくら草(雪どけ水はつめたくて)

まだねむたそうな雪が そろそろ起き出した崖っぷちに
水の流れを見つめてる さくら草
君を思い出すかのように
人の心って勝手なもの
人の心って都合のいいもの
人の心ってはかれないもの
自分の心さえ恐ろしい
雪どけ水はつめたくて
君のあつい心を冷やしたのか
水の流れの激しさが
君の激しさをのみこんだのか
冷めたい水に炎をなげたように
ゆけむり立てて流れの中に消えた君

一途に思いつめた君だけを
悲しく見た僕を思い出し
雪どけになると来てしまう
いたわりでは救えなかった君に逢いに

雪どけ水はつめたくて
君のあつい心を冷やしたのか
水の流れの激しさが
君の激しさをのみこんだのか
積もった白い雪がとけてしまうと
たのまないのに春は叉やってくる
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