恋人たちの100の偽り

ゼラニュウム香ばしい坂道の朝
花の茎折りながらあなたが聞いた
もしぼくがいなくても生きてゆけるね
平気よとくちびるとがらせたっけ
嘘つくの下手ね 私って ほんとは愛してるのに
見破るの下手ね あなたって 笑顔の裏には涙があるわ
ああ恋人たちの偽りは 100もあるけど
好きよって囁きだけは 真実でした

ゼラニュウム色変えて水色の丘
くちづけが下手だねとポツリとあなた
比べてる人がいる! 走る予感に
問いつめりゃばれたかと舌を出したわ
嘘つくの下手ね あなたって 心に秘密があるの
勘だけはいいの 私って 不幸になるよと顔に書いてる
ああ恋人たちの偽りは 100もあるけど
あなただけ正直な人 そう信じてたの

時は過ぎ声もなく散りゆくゼラニュウム
卒論がすむまでは逢えないと言う
嘘つくの下手ね 二人共 別れを繕うあなた
背を向けるだけね 二人共 涙が描き込む境界線に
ああ恋人たちの偽りは 100もあるのに
さよならとたったひとつの 嘘が言えない
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