喝采

いつものように 幕(まく)が開(あ)き
恋の歌 うたう私(わたし)に
届いた報(しら)せは 黒いふちどりがありました
あれは三年前 止(と)めるあなた駅に残し
動き始めた汽車に ひとり飛びのった
ひなびた町の 昼下がり
教会の前にたたずみ
喪服(もふく)のわたしは 祈る言葉さえ失(な)くしてた

つたがからまる 白いカベ
細いかげ 長く落として
ひとりの私は こぼす涙さえ忘れてた
暗い待合室 話すひともない私の
耳に私のうたが 通りすぎてゆく
いつものように 幕が開く
降(ふ)りそそぐ ライトのその中
それでもわたしは
今日も恋の歌 うたってる
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