今日も僕は歌おうとするけれど
声と息は空回りをする
ひとつひとつ歳をとりゆくたびに
僕らゆるく忘れてゆくこと

季節の変わる音
吹く風の味 太陽の温度
目を瞑ったなら気付くだろう
君にも分けたいんだよ
この歌に 声になる前に
体に溶け出て心臓に落ちた
君の手が肌に触れるたびに伝わるほど

君と僕の間にもあるだろうか
今はかすかに見えるような

何か叶えたなら
どこかへ行ったことがもしあれば
何者かになれただろうか
もうわからなくなるよ
手に入れたものを今更
取り出し並べて眺めてみる
最後まで持っていけるものを探している

吹く風の味 背後の景色
目を瞑ったなら気付くだろう
言葉になる前に
鼻から漏れ出て空気になった

歌にするよ
今日の君に届けて
メロディと
意味だけを
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